・ピチットシートって聞くけど…どんなアイテムなの?
・ピチットシートの種類と使い分け方を教えて
・ピチットシートに長時間包んでても大丈夫?
魚を捌く人であれば、ピチットシートというアイテムを聞いたことがあると思います。
名前は聞いたことがあるけど、具体的にどんな効果があってどんな用途に使えるのかまでは分からないという人もいるのではないでしょうか。
ピチットシートは、有効に使えば魚料理のレベルをワンランク上げることができる、とても便利なアイテムです。
こんにちは!ラクトといいます。僕は2020年から5年間趣味で魚を捌いています。
今まで捌いた魚は数百匹以上。様々な魚介類を捌いて、美味しい料理を探求しています。
この記事では、ピチットシートの効果と主な用途を解説し、実際に自分も行っている刺身の脱水や干物を作る工程まで紹介します。
この記事を読むとこうなれます。
・ピチットシートの使い方を理解して魚料理をもっと美味しく作れる
ピチットシートって何に使うの?→食材の脱水

ピチットシートは食材を包むだけでお手軽に脱水ができる画期的なアイテムです。
仕組みとしては、魚の中の生臭み成分と水分だけがピチッとシートに吸収され、旨味成分だけは魚の中に残るというもの。
生臭み成分と水分だけが抜けて旨味成分は残るので、より旨味が感じやすくなります。つまり美味しくなります。
用途としては、主に
・刺身の柵を脱水
・干物作り
などです。
また、ここでは割愛しますが野菜や肉の脱水、燻製を作るのにも使用できます。
ピチットシートの種類と使い分け
ピチットシートには
・スーパー(超高吸収タイプ)
・レギュラー
・マイルド(低吸収タイプ)
の三種類が存在します。
それぞれ吸水力と用途が異なります。
スーパー(超高吸収タイプ)
スーパーは名前の通り最も吸水力に優れており、干物や燻製作りに最適です。
反対に、吸水力が凄いため、刺身の脱水にはあまり適していません。
レギュラー
レギュラーはスーパーとマイルドの中間の吸水力を持つピチットシートです。
レギュラーの強みは圧倒的な汎用性の高さ。
スーパーとマイルドはお互い干物や燻製作りには向いてるけど刺身の脱水には向いてなかったり、刺身の脱水には向いてるけど干物、燻製作りには向いてなかったりします。
ただレギュラーは程良い吸水力で、どの用途でも問題なく使用することが可能。
刺身の脱水もできますし、干物作りや魚の保存など様々なことに使えます。
非常に使い勝手が良いので、買うならレギュラーが一番おすすめです。
マイルド(低吸収タイプ)
マイルドもその名の通り、控えめな吸水力が売りのピチットです。緩やかに水分を吸い取ってくれるため、水気が抜けすぎず刺身の脱水に適しています。
また、魚の保存にも使うことができます。
ピチットシートのメリットとデメリット
ピチットシートのメリットデメリットは以下になります。
・塩を使わず簡単に食材の脱水ができる
・魚の保存にも使える
・刺身の漬けや唐揚げの下味など、漬け込む時間を短くできる
・結構高い
・長時間やりすぎると、食感を損なう可能性がある
一番大きなメリットとしては、塩を使わなくても食材をくるむだけで簡単に脱水ができるところですね。
塩を使わなくていいことで食材に余計な塩味が付くことや、刺身の表面がねっとりし、食感が変わることを防げます。
また、腐敗の原因となる水分が抜けるので、鮮度を保ちやすくなります。
他にも魚の中の水分が減る分、漬けや唐揚げの下味などの調味液が染みこみやすくなり、漬け込み時間が短くなる(=時短できる)というメリットもあります。
反対にデメリットとしては、値段になります。
現在記事を書いている2025年11月8日時点で、レギュラー32枚入り2419円と中々のお値段です。
1枚当たり75円の計算になりますね。
そのため、頻繁に使うのは厳しいです。
また、後ほど触れますが長時間脱水しすぎるとカラカラになってしまい、お刺身は特に食感が悪くなると思います。
ピチットシートは買うべき?→余裕があるなら買った方がいい
ピチットシートのメリットデメリットについて語りましたが、個人的にはメリットが非常に大きいので、金銭的に余裕があるなら常にストックした方が良いと思っています。
・簡単にスーパーのお刺身でもレベルアップ
・食材の水分と臭みを取って下処理
・保存
など様々なことに使うことができ、汎用性が高いからです。
スーパーの刺身をワンランク上の味にできるというのも嬉しいポイントですね。
そして、特に大きな理由が干物を作れること。
普通外で干物を干す場合、暑い時期や雨の時は干すことができません。
他に冷蔵庫で干す方法もありますが、難易度は少し高めです。
僕も何回か冷蔵庫で干物作りに挑戦してますが、どれくらい干せばいいかの塩梅が難しく、乾燥が不十分なためか生臭みが出てしまうことが多かったです。
ですがピチットシートなら、包んで冷蔵庫で一晩放置するだけで簡単に良い感じの干物が作れてしまいます。
つまり天候や季節に左右されることなく、簡単に安定して美味しい干物を一年中いつでも作れるということ。
個人的にこれがピチットシートの一番の強みだと考えています。
干物作りにおいて本当に優秀すぎます。
干物作りに興味がある方、良く干物を作る方には特にピチットシートおすすめです。
ピチットシートで刺身を脱水してみよう
生の刺身の脱水

今回は生の本マグロの柵(画像上部)と、冷凍のメバチマグロの柵(画像下部)を用意しました。この二つをピチットシートで実際に脱水していきます。
まずは生マグロから。
柵をピチットシートにくるみ冷蔵庫で1時間半ほど放置すると…

少し分かりづらいですが、柵の表面が乾いていますね。
このように表面の水気が無くなりカラッとしたらOK。
今回はこちらの時間の都合で1時間半脱水しましたが、生の刺身の柵なら30分~1時間ほど脱水すれば十分です。(水っぽい魚は1時間半~2時間ほど脱水した方がしっかり水分抜けると思います)。
冷凍の刺身の脱水
冷凍の柵もやることは一緒です。
こちらも柵をピチットシートにくるみ冷蔵庫で1時間半ほど放置すると…

生のマグロより違いが分かりやすいですね。水っぽさが無くなったのが一目瞭然です。
生の刺身でも十分効果がありますが、水っぽい冷凍の刺身には特に効果を発揮しますね。
水っぽさが軽減され、味も食感も明らかに良くなってました。
ただ、今回1時間半脱水しましたが、それでもまだ中は水っぽかったです。
冷凍のマグロの柵に関しては3時間以上は脱水した方が美味しく食べられると思います。
もしくはこのように、刺身状に切ってからピチットにくるむのもおすすめ。

切ってから脱水することで中までしっかり脱水できるのはもちろん、柵で脱水するよりピチットに触れる断面が圧倒的に増えるため、素早く水分が抜けて時短にもなります。
ピチットシートで干物を作ろう

次はピチットシートを使った干物の作り方を紹介します。
といっても、干物を干す作業をピチットシートに変えるだけなので、干物の作り方自体はいたって普通です。
①魚を開きにする(もしくは店で開きにしてもらう)
今回はアジを用意しました。まずはアジを開きにします。
店によっては購入した魚を無料で捌いてくれるところもあるので、頼んで開きにしてもらうととても楽です。
自分で開く場合はお尻側から包丁を入れて

腹骨を断ち切りそのまま貫通しない程度に背中まで包丁を入れます。

その流れで頭も割ったら

よく見るアジの開きの完成です。

②塩分濃度10%程度の塩水に50分漬け込む

次はアジの開きを塩分濃度10%程度の塩水に50分ほど漬け込みます。
漬かってない部分がある時は、このように上からキッチンペーパーを被せてあげると全体がしっかり漬かるので○。

サイズが大きかったり脂のノッているアジであれば、漬け時間を1時間~1時間15分ほどに伸ばしても良いと思います。
③ピチットシートに包んで一晩放置
アジの開きにしっかり塩味が移ったら、しっかり水気を引き取り、ピチットシートにくるみます。

あとは冷蔵庫で一晩放置して焼くだけで美味しいアジの干物の完成!

ピチットシートで切り身を冷凍から解凍するところまでやってみよう
ここからは実験になりますが、ピチットシートに包んでそのまま冷凍、解凍までしてみたいと思います。
ピチットシート公式ホームページのQ&Aを見ていたら、
「ピチット」を食材に包んでから密閉できるポリ袋に入れ、冷凍庫で保管してください。食材が凍るまでの間に水分を脱水する事ができます。また、解凍時は、「ピチット」が巻かれたまま冷蔵庫で解凍してください。解凍時の水分も脱水する事ができます。
と書かれていました。
ピチットシートに包んで冷凍から解凍までできることを初めて知ったので、実際に上手くできるか検証してみました。
今回はカンパチの切り身を用意してます。

こちらをピチットシートに包んでからジップロックに入れて、10日間ほど冷凍します。

10日後に解凍した切り身がこちら。

流石に血合いはくすんでしまっていますが、ピチットのおかげで冷凍の魚特有の水っぽさは全くないですね。
アップで見てみても、しっかり水分が抜けていることが分かります。

こちらの切り身でムニエルを作ってみました。

付け合わせがないので殺風景ですが、気にしないでください。
食べた感想ですが、臭みもなく、美味しく食べることができました。
…が、わざわざピチットシートを使う必要はないかなと思います。
ピチットを使ったからと言って普通に冷凍、解凍するより美味しくなるかと言われたら、正直ほとんど変わらないです。
実際今回のカンパチも、以前自分で捌いたブリの切り身を冷凍、解凍して調理した時と鮮度感、食感はほぼ同じですね。
ただ、冷凍する際もしっかり吸水をしてくれるので、普通に冷凍するより長持ちしやすいというメリットはあると思います。
ですが、さっきも言った通り特段美味しくなるわけでもないですし、ピチットも高いので、やっぱりわざわざピチットを消費して切り身を冷凍するメリットは薄いなと思います。
もし刺身の柵を脱水しすぎたらどうなる…?
ピチットシートを使い始めた当初から気になっていることが一つあります。
それは刺身の柵をピチットシートに包んだまま放置しすぎるとどうなるの?という疑問。
水分が抜けすぎて美味しくなくなってしまうのか
むしろ余計な水分が完全に抜けることでさらに美味しくなるのか
非常に気になっていたので、この機会に試してみました。
今回は冷凍のマグロの柵を丸一日ピチットに包んで放置します。
一日放置したマグロの柵がこちら

先程の1時間半ほど脱水した冷凍マグロよりさらに質感がドライになっていますね。
切った断面を見ても中までしっかり水分が抜けているのが分かります。
食べた感想ですが、冷凍マグロ特有の水っぽさはほとんど消えて、生マグロに近い食感になっていました。とても美味しかったです。
ただ、表面が乾きすぎて口に入れたときにカサカサしていたのが少し違和感ありました。
結果、冷凍マグロに関しては丸一日ピチットに包んで放置してても全然美味しい。むしろこれくらい長時間脱水した方が美味しいということが分かりました。
【まとめ】
以上でピチットシートの解説は終わりになります。
今回のまとめです。
ピチットシートって何?→食材を包むだけで簡単に余計な水分を取ることができる便利アイテム!
水分だけじゃなく、臭みの元となる成分まで吸い取ってくれるので、臭みもなく旨味が凝縮された美味しい魚になる
↓
↓主に…
↓
・刺身の脱水
・干物作り
などに使える!(野菜や肉の脱水、燻製作りなど魚以外にも使用できます)
ピチットシートの種類と使い分け
・スーパー(超高吸収タイプ)→干物、燻製作り
・レギュラー→なんでも任せて
・マイルド(低吸収タイプ)→刺身の脱水や魚の保存
ピチットのメリットデメリットは…
メリット
・塩を使わず簡単に食材の脱水ができる
・魚の保存にも使える
・刺身の漬けや唐揚げの下味など、漬け込む時間を短くできる
デメリット
・結構高い
・長時間やりすぎると、食感を損なう可能性がある
値段は2000円超と高めだけど、料理のレベルを手軽に上げることができるから金銭的に余裕がある方には非常におすすめ!
この記事でピチットシートの優秀さ、便利さが分かってもらえたかと思います。
値段が高いのであまりたくさんは使えませんが、干物を作りたいときには僕もよく使用しています。さっきのアジの干物も臭みもなく脂がノッててとても美味しかったです。
それでは皆さんも良いFish Lifeを


