・魚を捌きたいけどどんな包丁を用意すればいいか分からない
・魚捌きに使う包丁って色々あるけど、何が違うの?どう使い分けるの?
・万能包丁で魚を捌くのに慣れてきたから、他の包丁も揃えてレベルアップしたい!
万能包丁で魚を捌くのに慣れてくると、出刃包丁や刺身包丁も揃えたいと思うようになると思います。
僕もその一人です。
はじめは家にあった万能包丁で頑張ってアジやイナダ(ブリの子供)を捌いていたけど、もっと本格的に魚を捌けるようになりたいと思い、出刃包丁と刺身包丁を購入しました。
その時買った包丁は今でも活躍しています。
こんにちは!ラクトといいます。僕は2020年から5年間趣味で魚を捌いています。
今まで捌いた魚は数百匹以上。様々な魚介類を捌いて、美味しい料理を探求しています。
この記事では、魚を捌くのに使われる包丁王道3種(三徳包丁、出刃包丁、刺身包丁)の用途、使い分け方を解説します。
この記事を読むとこうなれます。
・それぞれの包丁の特性を理解して、場面に応じて使い分けながら魚を捌けるようになる。
・今の自分にはどの包丁が必要か理解、判断できるようになる。
前提知識
三徳包丁=万能包丁

本題に入る前に前提となる知識を揃えておきます。
この記事では「三徳包丁」という言葉が出てきます。
三徳包丁は万能包丁と同じ包丁を指します。
厳密にいうと万能包丁という言葉には牛刀という包丁も含まれますが、ここでは
三徳包丁=万能包丁
だと思ってください。
両刃と片刃の違い

包丁には両刃の包丁と片刃の包丁の2種類があります。
両刃は包丁を正面から見たときに、両側面から削られて刃ができているもの。
一方片刃は片方の側面だけが削られて刃ができている包丁になります。
三徳包丁は両刃。
出刃包丁と刺身包丁は片刃の包丁です。
それぞれの包丁のメリット、デメリット
三徳包丁

まず三徳包丁のメリットは
・とにかく万能。捌くのも皮を引くのも刺身を切るのもできる
・両刃なので市販のシャープナーで簡単に砥げる
・魚以外の食材でも使えて汎用性◎
なこと。
表にも書いたように、三徳包丁はとにかく万能です。万能包丁っていうくらいなので。
魚捌きの全工程で使える上に、自分で包丁が砥げなくてもシャープナーさえあれば切れ味を簡単に維持できるのも良い点です(もちろん砥石で砥ぐに越したことはないです)。
さらに肉や野菜を切るのにも当然使えるので、とりあえず三徳包丁一本あれば大抵のことはなんとかなります。
反対にデメリットは
・大型の魚や骨が固い魚は捌きづらい
こと。
三徳包丁は軽く、出刃包丁ほど厚みもないので、魚の固い骨を切るのには向いていません。
三徳包丁で無理に骨を切ろうとすると刃が欠けてしまいますし、強い力が加わることで包丁が滑ってケガをするリスクもあります。
どの場面でも使えて手入れも簡単ですが、大きい魚は捌きづらいです。
出刃包丁

出刃包丁のメリットは
・硬い骨を断ち切るのに向いている
・圧倒的安心感(気持ち的な部分)
です。
出刃包丁は厚み、重みがあり固い骨でも断ち切ることが可能。三徳包丁よりも魚捌きに適した包丁です。
そしてこれは気持ち的な問題ですが、安心感が凄い。
三徳包丁で捌けない強敵が現れても、「まだ出刃包丁がある」と思うととても心強いです。
実際出刃包丁さえあれば10㎏くらいのブリやマグロなら捌けるので、安心して色んな魚に挑戦できます。
反対にデメリットは、
・皮を引いたり刺身を切るのには不向き
・身の柔らかい魚は捌く難易度が高い
・片刃に対応しているシャープナーじゃないと砥げない
こと。
もちろん出刃包丁でも皮引きや刺身を切ることもできないことはないです。
しかし皮引きや刺身を切るのには、もっと適した包丁があります。
あくまで出刃包丁は捌くための包丁です。
それから、出刃包丁は身が柔らかい魚を捌くのもあまり向きません。
サバやイワシなどの比較的小型でとても身の柔らかい魚ですね。
なぜなら、刃が分厚く身に負担がかかりやすいからです。
小出刃という小さい魚が捌きやすい出刃包丁もありますが、個人的に小さい魚はわざわざ出刃で捌かなくても三徳包丁で十分かなと思います。
そして三徳包丁と違い片刃なので普通のシャープナーでは砥げません。
ほとんどのシャープナーは両刃の包丁を研ぐために作られているので、片刃の包丁を研ごうとすると刃の形状が変わってしまい、かえって切れ味が悪くなってしまいます。
出刃包丁もシャープナーで砥ぎたいという方は、片刃用のシャープナー、または両刃、片刃兼用のシャープナーもあるので、そちらを購入する必要があります。
刺身包丁

最後に刺身包丁のメリットは、
・皮引きや刺身を切ることなど、繊細な作業に最適。
・細長い魚が捌きやすい
です。
刺身包丁は刃渡りが長いため皮引きや刺身を切るのがとてもやりやすいです。
僕は以前三徳包丁で皮引きをしていましたが、刺身包丁で引くようになってから皮が上手く引けるようになりました。
綺麗に皮が引けることで皮目の模様が残って、刺身にした時に見た目がとても美しくなります。
また、刃渡りが長いため一太刀で刺身が切れるのもポイント。
三徳包丁でも刺身は切れますが、刃渡りが足りずに一太刀で刺身が切れないことが割とあります。
刺身は何度も刃を入れてしまうと表面がガタガタになって美しくありません。
刺身を美味しそうに見せるという面でも、刺身包丁は皮引きや刺身を切るのに向いています。
それからもう一つ良い点として、サバやサワラ、サンマなど、細長い魚が捌きやすいです。
これも理由は刃渡りが長いから。
刃渡りが長いため、長い魚でも一太刀で深くまで包丁が入れられます。
包丁を入れる回数が減ることで魚の身の負担も少なく、身割れせずに綺麗におろせます。
最後にデメリットは、
・骨が固い魚は捌きづらい
・三徳や出刃と比べて扱いが難しい
・片刃に対応しているシャープナーじゃないと砥げない(出刃と同じ理由)
です。
出刃ほど重みも厚みもないため、三徳と同様固い骨を断つのはあまり向いていません。
それに魚を捌く過程で切れ味を消費してしまうと、刺身包丁の本領である皮引きや刺身を切る時に影響がでる可能性もあります。
そのため、刺身包丁は皮引きと刺身を切ること、それから骨があまり固くない細長い魚を捌くことだけに使った方がいいと考えています。
また、刃渡りの長さゆえ三徳や出刃より扱う難易度は多少高めです。
ですが使っていくうちに慣れてくるので、初心者のうちから使っていたほうが上達は早いと思います。
上達には練習あるのみです。
三徳包丁、出刃包丁、刺身包丁のおすすめの使い分け方
ここまでそれぞれの包丁の長所と短所について語ってきました。
ここからはそれを踏まえてそれぞれの包丁をどんな場面で使い分けるかをまとめます。
それはズバリ
三徳包丁(三枚おろし~刺身に切るまでの全工程)
or
三徳包丁(三枚おろしまで)→刺身包丁(刺身に切るまで)
↑
こっちがおすすめ!
出刃包丁(三枚おろしまで)→刺身包丁(刺身に切るまで)
です。
三徳包丁は小型~さほど骨の固くない中型の魚を捌くところから刺身に切るまで通して使うこともできます。
ですが刺身包丁のメリットで説明した通り、皮引きや刺身を切るのは刺身包丁のほうがやりやすい。
そのためできれば三枚おろしまでできたら刺身包丁に切り替えて作業したほうが、刺身にした時の出来栄えは良いです。
出刃包丁は大型の魚や骨の固い魚を三枚おろしにするところまで使うのがおすすめ。
出刃で三枚おろしまでできたら刺身包丁にバトンタッチするとお互いの良さを最大限活かして魚が捌けます。
まとめ
以上で三徳包丁、出刃包丁、刺身包丁の違いと使い分け方についての解説は終わりになります。
最後に今までのまとめです。
三徳包丁
・とにかく万能。捌くのも皮を引くのも刺身を切るのもできる
・両刃なので市販のシャープナーで簡単に砥げる
・魚以外の食材でも使えて汎用性◎
・大型の魚や骨が固い魚は捌きづらい
出刃包丁
・硬い骨を断ち切るのに向いている
・圧倒的安心感(気持ち的な部分)
・皮を引いたり刺身を切るのには不向き
・身の柔らかい魚は捌く難易度が高い
・片刃に対応しているシャープナーじゃないと砥げない
刺身包丁
・皮引きや刺身を切ることなど、繊細な作業に最適。
・細長い魚が捌きやすい
・骨が固い魚は捌きづらい
・三徳や出刃と比べて扱いが難しい
・片刃に対応しているシャープナーじゃないと砥げない(出刃と同じ理由)
それぞれの包丁の使い分け方は、
三徳包丁(三枚おろし~刺身に切るまでの全工程)
or
三徳包丁(三枚おろしまで)→刺身包丁(刺身に切るまで)
↑
こっちがおすすめ!
出刃包丁(三枚おろしまで)→刺身包丁(刺身に切るまで)
包丁はそれぞれの特性に合わせて使うと最大限能力を発揮し、魚捌きのレベルを上げてくれます。
今回解説した内容を、包丁選びの参考にしていただければと思います。
それでは皆さんも良いFish Lifeを


